Claude Codeに記事本文を書かせない理由
下書き・校正・構成の線引き
Claude Codeを使えば、ブログ記事は1本数分で出てきます。私も最初はそうしました。指示を出して、出てきた文章をほぼそのまま公開する。楽でした。
結果は、読み返しても自分の記事だと思えない記事の山でした。書いてあることは間違っていない。でも、私がやったことも、私が困ったことも、どこにも書かれていない。あとで79記事を全部リライトすることになりました。
いまはClaude Codeを毎日使っています。でも、記事の本文は書かせません。やらせるのは、構成の案出し、校正、データの整理まで。この記事は、その線をどこに引いたか、なぜそこなのか、の話です。
「AIに書かせるのはずるい」という話ではありません。私の場合、書かせたら記事にならなかった、という実務の話です。
本文を書かせて起きたこと
2026年5月から6月にかけて、私は「タイトルと見出しを渡して、本文を書かせる」やり方で記事を増やしました。1本あたり、指示から公開まで30分もかかりません。
数週間して読み返したとき、次のことに気づきました。
- 体験談が創作されていた——「実際に試したところ、効果を実感しました」のような文が、私がやっていないことについて書かれていた
- どの記事も同じ声で書かれていた——丁寧で、無難で、誰が書いても同じ文章。私のブログである意味がない
- 結論が「人によります」だった——AIは断定を避けます。読む人が知りたい「で、あなたはどうしたの?」がない
- 直すより書き直すほうが早かった——文章は整っているので、どこを直せばいいのか分からない。結局ゼロから書き直した
量産して失敗した経緯はブログ記事をAIで量産して失敗した話【ストックより先にやること】に書きました。この記事は、その失敗のあとに引いた線の話です。
書かせない3つの理由
①AIは私の経験を知らない
一番大きい理由です。私のブログの価値は、あるとすれば「3児の父の会社員が、収益0円のまま続けている現在地」です。Claude Codeはそれを知りません。知らないことを書かせると、もっともらしい嘘になります。「効果を実感しました」は、その典型でした。
②読者に対して正直でいられない
やっていないことを「やった」と書いた記事は、読者への嘘です。AIが書いたから、ではなく、公開した私の責任です。それを避けるには、書かれた文章の一文一文を「これは本当か」と確かめる必要があり、それは自分で書くより時間がかかりました。
③検索エンジンの評価は、私には分からない
「AIが書いた記事は検索に不利」という話はよく聞きます。Googleの公式の考え方はAI記事はSEOに不利?Googleの見解と対策【2026年版】にまとめましたが、私のブログで実際にどうかは、検索流入がほぼない段階なので分かりません。分からないものを理由にはしません。①と②だけで、書かせない理由としては十分でした。
線引きの一覧【やらせる・やらせない】
いまの線引きを表にします。基準は「私の経験が要るかどうか」です。経験が要らない作業はやらせる。要る作業は自分でやる。
| 作業 | 誰が | 理由 |
|---|---|---|
| 見出し(構成)の案出し | Claude Code → 自分が選ぶ | 案は経験不要。選ぶのは経験が要る |
| 導入文・本文 | 自分 | 経験そのもの |
| 体験談・結論 | 自分 | AIには書けない |
| 誤字・表記ゆれの指摘 | Claude Code → 自分が直す | 機械的。指摘だけさせる |
| 言い回しの言い換え案 | Claude Code → 自分が選ぶ | 1文ずつ、選ぶのは自分 |
| Search Consoleなどの数字の集計 | Claude Code | 経験不要。正確さは画面と突き合わせる |
| 内部リンクの配線・リンク切れ確認 | Claude Code(仕組み) | 機械的。反映前に自分が確認 |
| 公開ボタン | 自分 | 責任の所在 |
やらせていること①構成の案出し
書く前に「誰の悩みか」「結論1行」を自分で決めて、それを渡して見出し案を3パターン出させます。3パターンから、気に入った見出しをつまみ食いして自分で並べ直します。1パターンをそのまま使うことはほぼありません。
・本文は書かないでください。見出しだけです
・「効果を検証した」「実際に成果が出た」のような、私がやっていないことを前提にした見出しは入れないでください
誰の悩み:(自分で書く)
できるようになること:(自分で書く)
結論1行:(自分で書く)
「本文は書かないで」を入れないと、頼んでいなくても本文まで出てきます。出てきた本文を読むと、つい使いたくなる。だから最初から出させません。
やらせていること②校正と表記ゆれ
自分で書いた本文を渡して、誤字・脱字・表記ゆれを「指摘だけ」させます。直した本文を出させると、指摘していない場所まで書き換わることがあるからです。
指摘は「該当箇所・修正案・理由」の表で受け取り、1つずつ自分で直します。「言い回しは変えないで」と必ず添えます。この手順は別の記事で詳しく書く予定です。
やらせていること③データの整理
Search Consoleの数字を並べる、記事のリンクを数える、カテゴリの振り分けの下書きを作る。経験が要らず、手でやると時間がかかる作業は、全部やらせています。Claude Codeで実際にできたことの一覧はClaude Codeで何ができる?非エンジニアの使い道12選【実例つき】にあります。
ここで大事なのは、「数える」はやらせても「判断する」はやらせないことです。「表示回数が出た記事はこれです」までがClaude Codeで、「だからこの記事を直す」は自分です。
やらせないこと【本文・体験・結論】
やらせないことは3つで、全部「私の経験が要る」ものです。
本文
導入からまとめまで、本文は自分で書きます。書く速さは、AIに書かせるより明らかに遅いです。それでも、書き終えた記事を読み返して「これは自分の記事だ」と思えることのほうを取りました。
体験談
「やってみてどうだったか」は、やった本人にしか書けません。結果が出ていないなら「まだ分からない」と書きます。AIに書かせると、この「分からない」が出てきません。何かしらの結果を作ってしまいます。
結論
「私はこうした」「私はこう思う」は、私の判断です。AIに「結論を書いて」と頼むと、両論併記の無難な文章が返ってきます。それは結論ではありません。
「下書きを書かせて、自分で直す」は、最初はそのつもりでも、直す量が減っていって、いつの間にかAIの文章がそのまま残ります。私はそれで失敗しました。だから下書きも書かせず、見出しで止めています。
渡してはいけない情報と、自分で確かめること
渡してはいけない情報
- 家族の氏名・学校名・地名——本文に書かないのはもちろん、校正で渡す本文にも入っていないか、渡す前に見ます
- 会社の業務内容や社内の話——仕事の話を記事にするときは、一般化してから渡します
- 公開前の非公開の数字——収益やアクセスの数字は、公開すると決めたものだけ
- WordPressのパスワードやAPIの鍵——手元の設定ファイルに置き、会話には書きません
自分で確かめること
やらせた作業の結果は、全部自分で確かめます。見出し案に「やっていないこと」が混ざっていないか、校正の指摘が正しいか、集計の数字が画面と合っているか。Claude Codeは自信を持って間違えるので、疑う役は自分です。任せきりにして起きた失敗はClaude Codeの失敗例5つ|AIに任せてはいけないことにまとめています。
よくある質問
Q. 本文を書かせないなら、Claude Codeを使う意味はありますか?
あります。書く以外の作業が、ブログ運営の半分以上だからです。構成、校正、数字の集計、リンクの整備、バックアップ。ここをClaude Codeに渡した分だけ、書く時間が残ります。
Q. 文章が苦手な人はどうすれば?
「うまく書く」のをやめて、「やったことを順番に書く」だけにすると、書けます。上手な文章はAIのほうが書けます。でも「私はこうした」はAIには書けません。そこだけ書ければ、記事になります。
Q. 言い回しの言い換えは本文を書かせているのでは?
境目は曖昧です。私のルールは「1文単位で、案を出させて、選ぶのは自分」です。段落ごと書き換えさせたら、それは本文を書かせているので、やりません。
Q. ChatGPTやClaude(チャット)でも同じですか?
同じです。道具が違っても、線引きは「私の経験が要るかどうか」で変わりません。Claude Codeを使っているのは、フォルダの中のファイルをまとめて扱えるからで、本文を書かせるかどうかとは別の話です。
Q. 線引きは変わりますか?
変わると思います。いまの線は、量産して失敗した直後に引いたものなので、慎重すぎる可能性があります。ただ、緩めるなら「読み返して自分の記事だと思えるか」を基準に決めます。楽になるかどうかでは決めません。
- 本文を書かせたら体験談が創作され、全記事が同じ声になり、結論が消えた。79記事を書き直した
- 書かせない理由は「AIは私の経験を知らない」「読者に正直でいられない」の2つで十分
- 線引きの基準は「私の経験が要るかどうか」
- やらせる:構成の案出し・校正の指摘・数字の集計・リンクの配線。全部「案・指摘・数える」まで
- やらせない:本文・体験談・結論・公開ボタン
- 「下書きだけ」はいつの間にか本文になる。見出しで止める
- 家族・会社・非公開の数字・パスワードは渡さない。結果は全部自分で確かめる
Claude Codeに本文を書かせなくなってから、記事を書く速さは落ちました。収益は0円のままで、検索の数字もまだ動いていません。それでも、読み返して「これは自分が書いた」と言える記事だけが並んでいる状態は、続けるうえで大事だと思っています。線引きは、また変わったら書き直します。

コメント