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「副業禁止」の会社員は
ブログをやれるのか
この記事は一般的な情報提供と個人の体験談です。私は弁護士でも社会保険労務士でもありません。就業規則の解釈や法律の適用は、会社ごと・個人の状況ごとに変わります。判断に迷う場合は、会社の人事部門または弁護士・社労士にご相談ください。また、公務員の方は国家公務員法・地方公務員法で別のルールが適用されますので、この記事の内容は当てはまりません。
「副業したいけど、うちの会社は副業禁止なんだよね……」
私も最初はそう思っていました。でも実際に就業規則を開いて読んでみたら、思っていたのとはだいぶ違いました。
この記事では、①そもそも「副業禁止」に法的な強制力はあるのか ②就業規則のどこを何と読むか ③会社に知られる経路はどこか ④身元を守る具体策——を順番に整理します。
「副業禁止」に法的な強制力はあるのか
まず前提から。就業時間外は、本来その人の自由な時間です。 会社が社員のプライベートを無制限に縛れるわけではない、というのが出発点になります。
さらに国の方向性も変わっています。厚生労働省が公開している「モデル就業規則」は、2018年の改定で副業・兼業を原則認める内容に変わりました。国が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を出して後押ししている状況です。
それでも会社が制限できる4つのケース
国のガイドラインでは、会社が副業・兼業を制限できる場合として、おおむね次の4つが整理されています。これは過去の裁判例の考え方に沿ったものです。
| 制限できるケース | ブログの場合 |
|---|---|
| 本業の労務提供に支障が出る | 深夜まで作業して遅刻・居眠りをすればアウト |
| 会社の業務上の秘密が漏れる | 社内の話を書けばアウト |
| 競業により会社の利益が害される | 同業のことを書けばアウトになりうる |
| 会社の名誉・信用を損なう | 会社が特定できる形で不満を書けばアウト |
この表を見ると分かるとおり、問題になるのは「ブログをやっていること」そのものではなく、「何を書くか」「どう時間を使うか」です。ここを外さなければ、多くの場合は成立します。
就業規則のどこを読むか(具体的な手順)
「就業規則なんて見たことない」という方が多いと思います。私もそうでした。実際の手順を書きます。
①「他社に雇用されること」を禁止——ブログは雇用ではないので、文言上は対象外の可能性
②「許可なく報酬を得る業務に従事すること」を禁止——ブログも対象になりうる。許可制なので申請すればよい
③「事前の届出を要する」——禁止ではなく届出制。出せば済む
多くの人が「副業禁止」という言葉だけを聞いて諦めています。でも実際の条文を読むと、「許可制」や「届出制」であって全面禁止ではないケースがかなりあります。私の会社もそうでした。まず自分の目で条文を読んでください。5分で終わります。
そもそもブログは「副業」なのか
これは会社によって解釈が分かれるところです。整理すると次のようになります。
- 雇用ではない——誰かに雇われて働くのとは性質が違います
- 継続的な労働時間の拘束がない——書きたいときに書くだけです
- ただし収入は発生する——広告収入が出れば、それは所得です
株式投資や不動産賃貸を「副業」と見なさない会社は多いですが、ブログはその中間のような位置づけになりがちです。収益がゼロのうちは単なる趣味の情報発信、収益が出てからは所得を伴う活動——この線引きで考えると整理しやすいと思います。
会社に知られる経路は実質2つだけ
ここを誤解している人が多いのですが、会社にブログがバレる経路は、突き詰めると2つしかありません。
- 住民税の金額——副業の所得があると住民税が増え、会社の経理が気づく可能性がある
- 自分の発信——ブログやSNSから本人が特定される、または自分から人に話す
逆に言えば、この2つを塞げば、会社が能動的に知る手段はほぼありません。1つずつ対策を書きます。
経路①住民税——普通徴収にする
会社は給与から住民税を天引き(特別徴収)しています。副業の所得があると住民税額が上がるので、そこから気づかれる可能性があります。
対策は、確定申告書の第二表「住民税・事業税に関する事項」で「自分で納付」(普通徴収)を選ぶことです。これで副業分の住民税は、会社を経由せず自宅に届く納付書で払う形になります。
自治体によっては、事務処理の都合で普通徴収を受け付けず特別徴収になることがあります。申告後に市区町村の税務課へ電話して確認するのが安心です。手続きの詳しい流れは副業ブログの確定申告【2026年】20万円ルールと会社バレ対策にまとめました。
経路②自分の発信——身元を守る7つの対策
実は、住民税よりこちらのほうが現実的なリスクです。私が実際にやっていることを全部書きます。
- ペンネームで運営する——本名は一切出しません
- 顔写真を使わない——プロフィールはイラストや絵文字で十分です
- ドメインのWhois代行を必ず有効にする——これが盲点。何もしないとドメイン登録時の氏名・住所・電話番号が誰でも検索できる状態になります。ConoHa WINGなど主要なサービスは無料の代行を用意しているので、開設時に必ず確認してください
- 勤務先・業界が特定できる情報を書かない——「メーカー勤務」程度に留めます
- 私用SNSと連携しない——ブログ用アカウントは新規で作ります。友達リストから足がつきます
- 勤務時間中に投稿しない——投稿時刻は記録に残ります。予約投稿を使えば解決します
- 写真の位置情報を消す——スマホ写真にはGPS情報が埋まっていることがあります
これをやったらアウト
逆に、就業規則以前の問題として、やってはいけないことを挙げます。
- 会社の業務内容・顧客・社内資料を書く——情報漏洩です。ぼかしても危険です
- 会社の設備で作業する——会社のパソコン・ネット回線・スマホはすべてNGです。ログが残ります
- 就業時間中に作業する——職務専念義務の違反になります
- 会社や上司の不満を書く——特定されれば信用毀損になりえます
- 同僚に話す——最大の漏洩経路は人の口です。私は家族以外に話していません
この5つを守っていれば、就業規則上の問題が起きる可能性はかなり下がります。「会社と関係のないテーマを、自分の時間と機材で書く」——これがすべてです。
人事に聞くべきか、聞かないべきか
ここは正直、悩ましいところです。両方の側面を書きます。
| 聞く場合 | 聞かない場合 | |
|---|---|---|
| メリット | 白黒がはっきりする。許可制なら正式に許可を得られる | 藪蛇にならない |
| デメリット | 担当者がリスクを避けて「ダメ」と言う可能性がある | グレーのまま続けることになる |
私のおすすめは、まず就業規則を自分で読んでから判断することです。読んだ結果、①明確に届出制・許可制と書いてあるなら素直に出す ②雇用のみを禁じていてブログが対象外と読めるなら、聞かずに始める——という整理になります。
聞き方を工夫するのも手です。「副業をしたいのですが」ではなく「個人でブログを書くのは問題ないでしょうか」と聞くと、答える側の心理的なハードルが下がります。
よくある質問
Q. 収益ゼロなら副業になりませんか?
報酬が発生していない情報発信は、多くの就業規則で「業務」に当たりません。ただし収益が出た時点で状況が変わるので、始める前に規則を読んでおくのが安全です。
Q. 公務員でもブログはできますか?
公務員は国家公務員法・地方公務員法で営利企業への従事等が制限されており、民間企業とは前提がまったく違います。この記事の内容は当てはまりません。所属先の人事担当に必ず確認してください。
Q. マイナンバーで会社にバレませんか?
マイナンバーから会社が個人の副業収入を照会できる仕組みにはなっていません。実務上の経路は住民税です。
Q. 家族名義にすれば安全ですか?
実態と名義が違うと、税務上も規則上もかえって話がややこしくなります。おすすめしません。
Q. バレたらどうなりますか?
会社と規則の内容によりますが、いきなり解雇というのは考えにくく、まずは注意・指導が一般的です。ただし本業に支障が出ていたり、会社の情報を書いていた場合は話が別です。
まとめ
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就業規則の読み方・副業の法的リスクを正確に理解するための本。「副業禁止かどうか」の判断基準が明確になります。
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- 国のモデル就業規則は2018年から副業容認が原則。ただし自社の規則を読むのが先
- 会社が制限できるのは「本業への支障」「秘密漏洩」「競業」「信用毀損」の4類型
- 就業規則は「副業」「兼業」「二重就職」で検索。禁止ではなく許可制・届出制のことが多い
- バレる経路は住民税と自分の発信の2つだけ
- 住民税は確定申告書の第二表で「自分で納付」を選ぶ
- 身元対策で見落としがちなのはドメインのWhois代行。無料なので必ず有効に
- 会社の設備・就業時間を使わない。同僚に話さない
「副業禁止だから無理」と諦める前に、まず自分の会社の就業規則を5分だけ読んでみてください。私はそれで、思っていたより自由だと分かりました。
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