副業の税金、サラリーマンはどこから確定申告?【20万円ルールの落とし穴】

副業のお金と制度

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TAX BASICS

副業の税金、サラリーマンはどこから確定申告
20万円ルールの落とし穴

📅 2026年8月更新
⏱ 読了約12分
🔖 副業 / 税金 / 確定申告 / 住民税
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アイタロウ(3児のパパサラリーマン)
副業を始めたものの、収入より先に支出だけが出た会社員。「この赤字はどうなるんだ」と焦って調べた内容をまとめています。

副業を始めると、たいてい最初にぶつかるのが税金です。「20万円までは申告しなくていい」という話はよく聞きますが、この一文だけを信じると普通に間違えます

私自身、副業を始めてまだ半年経っていません。収入はほぼゼロですが、サーバー代やドメイン代の支出だけは先に出ています。「この赤字は給料から引けるのか?」と思って調べたら、答えは「引けない」でした。その理由を含め、調べ直した内容を整理します。

はじめにお断り
この記事は一般的な仕組みの説明です
私は税理士ではありません。「制度がどうなっているか」の説明までが限界で、あなたが申告すべきかどうかの判断はできません。実際の申告は、必ず税務署か税理士に確認してください。税務署は無料で相談に応じてくれます。

先に結論:押さえるのは3つだけ

細かい制度は山ほどありますが、副業を始めたばかりの会社員が最初に知るべきことは、実質3つです。

押さえること 間違えやすい点
①20万円は所得で判定する 売上(収入)で判断してしまう
②20万円以下でも住民税の申告は別に必要 「20万円以下なら何もしなくていい」と思ってしまう
③経費は証拠が残るものだけ レシートを捨ててしまう

逆にいえば、この3つを外さなければ、大きな事故にはなりにくいです。順番に見ていきます。

①「20万円」は売上ではなく所得

よく言われる「20万円ルール」は、正確にはこういう制度です。

給与を1か所からもらっていて年末調整も済んでいる人は、給与・退職金以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてよい。

(国税庁タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」より要約)

ここで一番大事なのが、判定に使うのは「所得」であって「収入」ではないということです。

所得 = 収入 − 経費

たとえば1年間のアフィリエイト報酬が28万円、サーバー代・ドメイン代・書籍代などの経費が10万円だったとします。このとき所得は18万円。売上は20万円を超えていますが、所得は20万円以下なので、所得税の確定申告は不要という結論になります。

「振り込まれた金額が20万円を超えたら申告」と覚えていると、実際より多く申告してしまうことになります。逆に、経費をきちんと集めていないと、本来引けたはずの分が引けません。レシートを捨てないことが、そのまま節税になります。

20万円ルールが使えなくなる場面

ここが一番の落とし穴です。20万円ルールは「確定申告をしなくていい人」のための決まりであって、確定申告をする人には適用されません

つまり、副業とはまったく関係のない理由で確定申告をする場合、副業の所得が数千円でも、全部まとめて申告する必要があります

確定申告をすることになる主な理由 副業所得が20万円以下でも…
医療費控除を受けたい 副業分も申告に含める
ふるさと納税でワンストップ特例を使わなかった/使えなかった 副業分も申告に含める
住宅ローン控除の1年目 副業分も申告に含める
年間の給与が2,000万円を超える そもそも年末調整されない

特に多いのが医療費控除とふるさと納税です。「子供の入院で医療費がかさんだから医療費控除を申請しよう」と思った瞬間に、副業の数万円も申告対象になる、ということです。「得しようとして申告したら、副業分も出てきた」という順番になりがちなので、先に知っておく価値があります。

②20万円以下でも住民税は別

これも見落とされやすい点です。20万円ルールは所得税の話であって、住民税にはこの制度がありません。

副業所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、お住まいの市区町村に住民税の申告が必要になります。手続きは市区町村の窓口で、様式も自治体ごとに違います。「住民税 申告 ○○市」で検索すると案内が出てきます。

覚え方:所得税には「20万円以下は見逃す」という決まりがあるが、住民税にはない。だから所得税の申告をしないなら、その代わりに住民税の申告をする——と考えると整理しやすいです。
なお、確定申告をした場合は、その情報が市区町村にも回るので、住民税の申告を別途する必要はありません。

③経費にできるもの・できないもの

経費の判断基準はシンプルで、「その副業のために必要だったと説明できるか」です。説明できないものは経費になりません。

経費になりうるもの 説明が難しいもの
レンタルサーバー代・ドメイン代 私用と区別できないスマホ代の全額
有料AIツールの月額(副業で使う分) 家族との外食代
副業のテーマに関する書籍・教材 趣味の本
取材・撮影のための交通費 通勤定期の区間内の移動
副業専用に買った機材 家族共用のテレビ

私用と兼用のものは「家事按分」

自宅の光熱費や通信費のように、生活と副業の両方に使っているものは、使っている割合で分けて、副業分だけを経費にします。これを家事按分といいます。

大事なのは、割合の根拠を自分で説明できるようにしておくことです。「作業部屋の床面積が家全体の1割だから1割」「週の作業時間から見て通信費の2割」など、後から聞かれたときに答えられる決め方にしておきます。感覚で「だいたい半分」としてしまうと説明できません。

領収書・レシートは残す

紙のレシートは色が消えます。私はその場でスマホで撮って、月ごとのフォルダに入れるだけにしています。クレジットカードの明細も、あとから見返せるようにダウンロードしておくと楽です。

ちなみに、ブログ副業で実際にいくらかかるのかはブログの初期費用はいくら?実質0円で始められた話にまとめています。ここに書いた費用が、そのまま経費の候補になります。

収入ゼロで経費だけ出た年はどうなるか

ここが私の実際の状況です。ブログを始めて半年経っていないので、収入はほぼゼロ、支出だけが出ています

「副業が赤字なら、その分を給料の所得から引いて、税金が戻ってくるのでは?」と考えました。結論から言うと、雑所得の赤字は給与所得と相殺できません

他の所得と損益通算できるのは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つに限られています。雑所得はここに入っていません
つまり、副業が雑所得の扱いである限り、赤字が出ても給料の税金は減りません。

正直、調べていて少しがっかりした部分です。ただ、これを知らずに「還付されるはず」と期待して待つよりはよかったと思っています。

雑所得と事業所得の分かれ目

では「事業所得にすれば赤字を相殺できるのか」という話になりますが、そう単純ではありません。自分で好きに選べるものではないからです。

国税庁の考え方をざっくり言うと、こうなります。

状況 原則的な扱い
帳簿書類をきちんとつけて保存している おおむね事業所得
帳簿がない/収入がごく少ない 雑所得と扱われやすい
収入が300万円以下で、本業の給与に対してごくわずか 雑所得と判断されやすい

私のように収入がほぼゼロの状態で「これは事業です」と主張しても、通る見込みは低いと考えています。事業所得として申告したいなら、開業届を出して、帳簿をつけて、実際に事業として動いていること——ここまでがセットです。

なお、事業所得で青色申告をすると特別控除などのメリットがありますが、そのためには青色申告承認申請書を期限内(原則としてその年の3月15日まで、または開業から2か月以内)に出しておく必要があります。ここは1日でも過ぎると翌年送りになるので、該当しそうな方は早めに税務署で確認してください。

会社に知られたくない場合の考え方

この話題は「バレない方法」として語られがちですが、順番が逆だと思っています。

まず就業規則を確認する

副業が禁止されている会社で副業をすれば、税金の処理をどうしようと問題は残ります。最初に確認すべきは就業規則です。 許可制なら申請すればいいだけの場合もあります。

そのうえで住民税の徴収方法

会社に副業が伝わる典型的な経路が、住民税です。会社は給与から住民税を天引き(特別徴収)していて、その通知には住民税額が載ります。副業分が上乗せされると金額が変わるため、気づかれる可能性があります。

確定申告書の第二表に「住民税に関する事項」という欄があり、そこで「自分で納付(普通徴収)」を選ぶと、副業分の住民税を自分で納付書で払う形にできます。

ただし、確実ではありません

  • アルバイトなど給与としてもらう副業は、普通徴収にできないのが原則です
  • 自治体の事務処理の都合で、希望どおりにならないことがあります
  • 不安なら、申告後に市区町村の住民税担当に電話して確認するのが確実です

1年間のスケジュール

時期 やること
1年を通して レシートを撮って保存。収入と経費を月1回だけ記録する
1月 前年分の収入・経費を集計する
2月16日〜3月15日ごろ 確定申告の期間(年によって前後します)
3月15日 その年から青色申告をしたい場合の申請期限
6月ごろ 住民税の通知が届く

私が実感したのは、一番きついのは1月の集計作業だということです。1年分のレシートを年明けにまとめて処理しようとすると本当に嫌になります。月1回、10分で終わらせるほうが結果的に楽でした。

AIに税金を聞くときの注意

このブログはAI活用がテーマなので、ここは正直に書きます。税金の相談相手として、AIは限定的にしか使えません。

向いている使い方 向いていない使い方
「損益通算とは何か」など用語の意味を聞く 「私はいくら払うことになる?」
難しい説明文をやさしく言い換えてもらう 「この支出は経費になる?」の最終判断
税務署で聞くための質問リストを作る 申告書の数字を埋めてもらう

理由は3つあります。

  • 個別の税務相談は税理士の領域です。 AIも私も、あなたの状況に対する判断はできません。
  • 制度は変わります。 AIが学習した時点の情報が古い可能性があり、金額や期限がずれていても、それらしい文章で返してきます。
  • 数字の根拠を確認できません。 「〇〇円まで控除」といった具体的な数字ほど、必ず国税庁のページで原典を確認する必要があります。

渡してはいけない情報

私が自分に課しているルールです。

  • マイナンバーは絶対に入力しない
  • 源泉徴収票をそのまま貼らない(氏名・住所・会社名・支払者の情報が全部載っています)
  • 金額だけを聞きたいときは、氏名・住所・会社名を消してから数字だけ渡す
  • 口座番号・クレジットカード番号は入れない

AIへの頼み方そのものはClaude Code関連記事まとめから辿れる記事にまとめています。

よくある質問

Q. 副業の収入がまだゼロです。何かする必要はありますか?

収入も所得もゼロなら、そのために申告が必要になることは基本的にありません。ただし経費のレシートは残しておいてください。将来収入が出たときに引ける可能性がありますし、開業届を出して事業として始める判断をするときの材料にもなります。

Q. 会社の年末調整で副業分もやってもらえますか?

できません。年末調整はその会社の給与についての手続きです。副業分は自分で申告することになります。

Q. アフィリエイト報酬は源泉徴収されていますか?

されていないことが多いですが、支払元や報酬の性質によって扱いが変わります。支払調書や管理画面の明細で、源泉徴収額の記載があるかを確認してください。原稿料など一部の報酬は源泉徴収の対象になります。

Q. 税務署に行くのが不安です

私も同じでしたが、相談は無料で、怒られる場所ではありません。確定申告期の税務署は非常に混むので、可能なら11月〜1月の空いている時期に行くのがおすすめです。事前に電話で予約できる署もあります。

Q. 20万円ルールを知らずに何年か申告していませんでした

この記事で判断できる話ではありません。早めに税務署に相談してください。 自分から申し出た場合と、指摘されてからでは扱いが変わります。

📚 確定申告の前に読んでおきたい

サラリーマンの副業の税金が全部わかる本

「どこまでが経費か」「住民税はどう処理するか」など、副業サラリーマンが気になる疑問にQ&A形式で答えてくれる本。確定申告の前に読むと安心感が違います。

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📝 この記事のまとめ
  • 20万円ルールの判定は「収入」ではなく「所得(収入−経費)」
  • 医療費控除やふるさと納税などで確定申告をするなら、副業分も金額に関係なく申告対象
  • 住民税に20万円ルールはない。所得税の申告をしないなら住民税の申告が必要
  • 経費は「副業に必要だったと説明できるか」が基準。兼用のものは家事按分
  • 雑所得の赤字は給与と相殺できない(損益通算できるのは不動産・事業・山林・譲渡)
  • 事業所得にするなら開業届と帳簿がセット。自分で好きに選べるものではない
  • 会社対策はまず就業規則の確認。そのうえで住民税は「自分で納付」を選択(ただし確実ではない)
  • AIは用語の理解と質問づくりには使えるが、判断には使えない。マイナンバーと源泉徴収票は渡さない

税金の話は、知らないと損をするというより「知らないまま放置すると後で面倒になる」種類のものだと感じています。副業の収入がまだ小さいうちに、仕組みだけ分かっておくのがいちばん楽です。

そして繰り返しになりますが、最終的な判断は必ず税務署か税理士に確認してください。 無料で相談できる場所があるのに、ネットの記事だけで決めてしまうのはもったいないです。

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