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英語メールをAIで書く方法
シーン別プロンプトと送信前の確認
英語のメールに時間がかかる理由は、単語を知らないことではありません。「この言い方は失礼にならないか」が判断できないからです。辞書を引いても、そこは書いてありません。
AIを使うと、この部分がかなり楽になります。ただしそのまま送るのはおすすめしません。理由も含めて、実際の使い方を書きます。
英語メールが遅い本当の理由
私が実際に時間を使っていたのは、ここでした。
| 詰まるところ | やっていたこと |
|---|---|
| 書き出しが決まらない | 過去のメールを探して真似する |
| この表現は失礼か分からない | 検索して例文サイトを何個も見る |
| 断り方・催促の仕方が分からない | 結局、遠回しすぎて伝わらない文になる |
| 訳した英語が正しいか不安 | 翻訳して、逆翻訳して確認する |
どれも「正解が分からないまま迷っている時間」です。文章を打つ時間ではありません。AIが減らせるのは、まさにこの迷いの部分です。
翻訳ではなく「状況を渡す」
一番の変化はここでした。日本語の文章を作ってから訳すのをやめました。
日本語のビジネスメールには、英語にするとかえって伝わりにくくなる表現がたくさんあります。「お世話になっております」「よろしくお願いいたします」「善処します」——これらを直訳すると、意味の薄い文が並ぶだけになります。
✕ うまくいかない頼み方
「次のメールを英訳して:いつもお世話になっております。標記の件、来週の打ち合わせについて…」
◯ うまくいく頼み方
「アメリカの取引先に、打ち合わせの日程を確認したい。候補は◯月◯日の15時(日本時間)。相手は初対面ではない。丁寧だが堅すぎない英語で」
状況と目的を渡すと、その文化で自然な形の英語が返ってきます。 日本語を経由しないほうが、結果的に伝わる文になります。
会社のルールと、渡してはいけない情報
取引先とのやりとりは、ほぼ確実に業務情報です。外部のAIサービスを業務で使ってよいかは会社ごとに違うので、まず社内ルールを確認してください。
そのうえで、私は次のものを外してから渡しています。
| 渡さないもの | 置き換え方 |
|---|---|
| 相手の氏名・会社名 | Mr. X/A社(完成後に自分で戻す) |
| メールアドレス・電話番号 | そもそも文面作成に不要 |
| 契約金額・単価 | 「金額はここに入れる」と空欄にしておく |
| 製品の型番・未公開の仕様 | 「製品A」 |
| 受け取ったメールの全文 | 要点だけを自分で要約して渡す |
最後の1つは見落としやすいところです。相手から届いたメールをそのまま貼るのは、相手の情報を第三者のサービスに渡すことになります。返信を作りたいときも、要点だけを自分の言葉で書いて渡すようにしています。
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基本のプロンプト
・相手:(例)アメリカの取引先の担当者。数回やりとりがある
・目的:(例)打ち合わせの日程を確認したい
・伝えたいこと:(箇条書きで)
・丁寧さ:丁寧だが堅すぎない
・長さ:短めに
・件名も提案してください
・私が伝えていない情報を追加しないでください
・日本語訳も併記してください
最後の「日本語訳も併記」は必ず入れています。意味が分からないまま送るのを防ぐためです。訳を読んで、自分の意図とずれていたらそこで直します。
「私が伝えていない情報を追加しない」も重要です。入れないと、それらしい前置きや、していない約束が混ざることがあります。
シーン別プロンプト集
日程調整
・時差を明記する(日本時間と相手の現地時間を併記)
・相手が選びやすいように箇条書きで
時差の併記は自分で必ず検算してください。ここをAI任せにして間違えると、実害が出ます。 私は必ず時差計算サイトで確認しています。
催促
・相手を責める表現は使わない
・こちらの期限(◯日まで)を明確に伝える
・短く
催促は日本語でも難しいところです。英語だと遠回しにしすぎて伝わらないことがあるので、期限を数字で書くのが確実でした。
断る
・断る理由は「社内の事情」までにとどめ、詳細は書かない
・代案があれば添える
・丁寧に
断る理由を書きすぎないよう指定するのがコツです。放っておくと、AIは丁寧にしようとして説明を増やします。増えた分だけ、後から突かれる材料になります。
謝る・遅れを伝える
・原因は事実だけを簡潔に。言い訳にならないように
・新しい期日を明記する
・責任の所在を断定しないでください
最後の一行は入れておいたほうが安全です。原因がまだ調査中なのに「◯◯が原因でした」と書いてしまうと、あとで訂正することになります。
お礼
・話した内容のうち、次のアクションだけ確認として入れる
・3〜4文で
お礼メールは短いほうが読まれます。ここに「次に誰が何をするか」を1行入れておくと、認識合わせも兼ねられて便利でした。
丁寧さの段階を指定する
「丁寧に」とだけ言うと、必要以上に堅い文が出てくることがあります。私は段階で指定するようにしました。
| 相手 | 指定の仕方 |
|---|---|
| 初めて連絡する相手・目上 | 「フォーマルに」 |
| 何度かやりとりのある取引先 | 「丁寧だが堅すぎない」 |
| 同じ会社の海外拠点の同僚 | 「カジュアルすぎない、普通のビジネス英語で」 |
| 親しくなった相手 | 「フレンドリーに、短く」 |
迷ったときは1段階だけ丁寧なほうを選んでいます。堅すぎて失礼になることは、まずありません。
送信前の3つの確認
①日本語訳を読んで、自分の意図と合っているか
意味が分からない英文は送らない。これを守るだけで、大きな事故はほぼ防げます。
②約束していないことを約束していないか
“We will deliver by〜” のような一文が、頼んでいないのに入っていることがあります。日付と数量は特に注意してください。
③記号にした固有名詞を、全部戻したか
“Dear Mr. X” のまま送るのが、いちばんありがちな失敗です。
英語の勉強に使う
これは副産物ですが、続けているうちに英語そのものが少し分かるようになりました。やっているのは1つだけです。
出てきた英文の中で、自分では書けなかった表現を1つ選んで、意味と使いどころを聞く。
・どういうニュアンスですか
・どんな場面で使いますか
・もっとカジュアルな言い方、もっと丁寧な言い方も教えてください
全部を覚えようとすると続きません。1通につき1つだけにしたら、無理なく続いています。
AIに任せないほうがいい場面
- 契約・見積・法的な意味を持つ文面——一語の違いが責任範囲を変えます。社内の該当部署に相談してください
- 重大なクレームへの返信——整った文章より、こちらが状況を把握していることを示すほうが重要です
- 相手の個人的な事情に触れる連絡(訃報・体調など)——短くても、自分の言葉のほうが伝わります
- 金額・納期・数量が入る文面——文章はAIでもよいですが、数字は必ず自分で入力してください
よくある質問
Q. 英語ができなくても大丈夫ですか?
「読んで意味が分かる」程度は必要だと思っています。日本語訳を併記させれば内容は確認できますが、訳が本当に合っているかを最終的に判断するのは自分だからです。
Q. 相手からの英語メールを読むのにも使えますか?
使えます。ただしメール全文をそのまま貼ることになるので、社内ルールと相手の情報の扱いに注意してください。要点だけ知りたい場合でも、この点は同じです。
Q. 翻訳ツールとどちらがいいですか?
用途が違うと感じています。既にある日本語文を正確に訳すなら翻訳ツール、ゼロから英語のメールを組み立てるならAIのほうが向いていました。
Q. 毎回プロンプトを書くのが面倒です
私はよく使う4パターン(日程調整・催促・断り・お礼)をテキストファイルに保存して、コピーして使っています。プロンプトを書き直す時間自体がロスなので、最初に作っておく価値があります。
Q. どのAIを使えばいいですか?
会社の指定があればそれに従ってください。選び方はClaude Codeとは?非エンジニア向けに料金と使い方を解説にまとめています。日本語のビジネスメールについてはAIで報告書を書く方法もあわせてどうぞ。
- 英語メールが遅い原因は語学力より「失礼かどうか判断できない迷い」
- 日本語を訳させるのではなく、状況と目的を渡す
- 相手の氏名・会社名・受信メール全文は渡さない。会社のルールを先に確認する
- プロンプトに「日本語訳も併記」「伝えていない情報を追加しない」を必ず入れる
- 丁寧さは段階で指定する。迷ったら1段階丁寧なほうを選ぶ
- 催促は期限を数字で、断りは理由を書きすぎない、謝罪は原因を断定させない
- 送信前に①訳を読む ②していない約束がないか ③記号を戻したかの3点確認
- 時差・金額・納期の数字は必ず自分で検算・入力する
- 契約文面・重大なクレーム対応はAIに任せない
- 1通につき表現を1つだけ調べると、英語の勉強としても続く
英語メールへの苦手意識が減った一番の理由は、「ゼロから書かなくていい」と分かったことでした。ただし、送るのは自分です。内容を理解しないまま送信ボタンを押すことだけは、避けてください。


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