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音声メモから記事の下書きを作る
書き始められない人へ
記事が書けない理由を観察してみたら、「書く時間がない」ではなく「書き始めるまでが長い」でした。机に向かって、白い画面を見て、最初の1行が出てこない。貴重な1時間のうち、20分がこれで消えます。
一方で、歩いているときや移動中は、不思議と考えがまとまります。その瞬間を音声メモで捕まえて、AIに下書きへ整理してもらう——この流れを紹介します。
先に断っておくと、これは記事を量産するための方法ではありません。 私は量産で一度失敗しています。この仕組みが解決するのは「立ち上がりの遅さ」だけです。
なぜ音声なのか
| キーボードで書く | 音声で話す |
|---|---|
| 机と時間が必要 | 歩きながらできる |
| 書きながら整えようとして止まる | 整える前提がないので止まらない |
| 最初の1行のハードルが高い | 「えーと」から始めていい |
肝は2行目です。文字で書くと、人はどうしても書きながら直そうとします。 音声は直せないので、勢いのまま出せます。順序も文法もめちゃくちゃで構いません。 整えるのは後工程(AI)の仕事です。
道具はスマホの標準メモアプリの音声入力だけです。専用アプリは要りません。
吹き込む場所の注意
先に書いておくべき注意です。
- 電車の中など、人のいる場所では話さない。周囲に聞こえますし、単純に迷惑です。私は歩いているときと車の中だけにしています
- 歩きスマホにしない。画面を見ずに話せるのが音声の利点なので、録音を開始したらポケットに入れます
- 仕事の情報を吹き込まない。ブログのネタのつもりでも、勤務先の話が混ざりがちです。固有名詞が入ったメモは、AIに渡す前に消します
話すときの3つの型
ダラダラ話すだけでも下書きにはなりますが、この3つを意識して話すと、下書きの質が目に見えて変わります。
①言いたい結論を先に言う
「今日話したいのは、◯◯は△△だという話」——最初にこれを言っておくと、あとの脱線が整理しやすくなります。
②自分の体験を1つ話す
「実際に先週こういうことがあって」——ここが記事の核になります。体験のないメモは、整理しても一般論にしかなりません。
③迷っていることも話す
「ここはまだ自信がない」「これは要確認」——そのまま言っておくと、下書きに「要確認」として残せます。
逆に「えーと」「なんだっけ」だらけでも問題ありません。AIはそこを無視して整理してくれます。
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歩きながらの音声入力はイヤホンのマイクが断然楽です。スマホを口に近づけて歩く不審者にならずに済みます(笑)。通話品質の良いものを選ぶと認識精度も上がります。
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下書きに整理してもらうプロンプト
・構成:導入 → 見出し3つ → まとめ
・文体:です・ます調、一人称は「私」
・メモに話していないことを追加しないでください
・数字や事実であいまいな箇所には「※要確認」を付けてください
・私が「自信がない」と言った部分は、断定に書き換えないでください
【メモ】(貼る)
太字の2つが安全装置です。これを入れないと、話していない「それらしい情報」で穴を埋められます。 音声メモは穴だらけなので、埋められる余地が特に大きいのです。
この指示文はテンプレとして保存してあり、毎回コピーして使います。頼み方の基本はプロンプトとは?AIへの頼み方のコツ7つにまとめています。
下書きの後にやること(ここが本体)
出てきた下書きは、そのままでは公開できません。 ここを飛ばすと、私が量産時代にやった失敗をなぞることになります。
- 「※要確認」を全部つぶす——数字・制度・名称を自分で確認します
- 自分の言葉に直す——音声のニュアンスが消えて優等生的な文になっている箇所を戻します
- 体験を書き足す——歩きながらでは思い出せなかった細部を、ここで足します
この仕上げに30分〜1時間かけています。「音声で下書きができる=すぐ公開できる」ではありません。 変わったのは、白い画面の前で固まる20分が消えたことと、机に向かった時点で半分できていることです。
この仕組みで解決しないこと
正直に書いておきます。
- 記事の質は上がりません。立ち上がりが速くなるだけです
- 本数を増やす道具にしないでください。私は「速く作れる」を本数に振って失敗しました。速くなった分は1本の確認と仕上げに使うべきでした。その顛末はブログ記事をAIで量産して失敗した話に書いています
- ネタ自体は生まれません。吹き込む中身は、結局その日の生活と経験からしか出てきません
以前この記事には「月の記事数が増えた」と書いていましたが、削除しました。本数が増えたこと自体は、私のブログでは成果につながらなかったからです。
よくある質問
Q. 音声入力の誤変換がひどいです
直さなくて大丈夫です。文脈から誤変換を推測して整理してくれるので、渡す前の手直しはしていません。固有名詞だけは化けやすいので、下書き後の確認でチェックします。
Q. 1回どれくらい話しますか?
3〜5分です。それ以上話すと、自分でも何を言ったか分からなくなります。1テーマ1メモにして、別の話を思いついたら録音を分けています。
Q. 通勤電車では使えませんか?
声を出す方式は使えません。電車ではネタを1行だけ文字でメモして、話すのは歩く区間にしています。
Q. 話すのが苦手です
独り言に近いので、うまく話す必要はありません。それでも抵抗があるなら、「①結論 ②体験 ③迷い」の3つを箇条書きで文字メモするだけでも、同じ効果の大半は得られます。
- 書けない正体は「時間がない」ではなく「書き始めるまでが長い」
- 音声は直せないから止まらない。雑でいい、整えるのはAIの仕事
- 人のいる場所で話さない・歩きスマホにしない・仕事の情報を混ぜない
- 話す型は①結論を先に ②体験を1つ ③迷いもそのまま
- プロンプトに「話していないことを追加しない」「あいまいな箇所に※要確認」を必ず入れる
- 下書き=公開できる原稿ではない。確認と仕上げに30分〜1時間かける
- 速くなった分を本数ではなく1本の質に使う(量産は失敗済み)
- ネタ自体は生まれない。中身は日々の経験からしか出てこない
「書く時間がない」は、正確には「机に向かってから書き始めるまでが長い」でした。その部分だけを移動中に済ませる——それだけの仕組みですが、白い画面の前で固まらなくなったのは大きな変化でした。


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